エンジニアリングマネージャーはエンジニアリングがわからなくてもよいのか

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少し前に、「エンジニアリングマネージャーはエンジニアリングがわからなくてもよいのか」というトピックの議論を聞いて面白かったので、自分の考えをまとめてみた。

Photo by rawpixel on Unsplash

エンジニアリングマネージャー界隈でよく聞く話

マネージャーは役割であって上下関係ではない

マネージャー=エラいという不文律が存在している組織がまだまだ多い。そうではないと言ったところで給与体系が違ったり、組織上ツリー構造の上位に位置していたりする。マネージャーになることを「昇格」と呼んでたりするのは、こういう風習の表れだったりする。

それにしても「部活のマネージャー」と聞いて上下関係を思い浮かぶ人はいないのになんで「組織のマネージャー」になると話が変わるのだろうか。部活のマネージャーは仲間だけど、組織のマネージャーは仲間だと思えないのかもしれない。

ところが少し前からWorks Rulesの影響などもあって、徐々にマネージャーというものが見直され始めてきているように感じる。役職としてのマネージャーから役割としてのマネージャーへと目線が移ってきた。

自分もそういう考え方のほうが好きで、メンバーと横並びになって同じ敵を倒しに行くパーティーだって考えたほうがスッキリする(ゲーム脳)し、そういうマネージャーになりたい/そういうマネージャーと一緒に働きたいって思う。

エンジニアリングとマネジメントは別のスキルセット

前述の組織の不文律が影響していたのかもしれないけれど、エンジニアの経験を積んでいってあるタイミングからマネージャーになるというキャリアパスがなんとなく存在した、あるいは存在している。

でもエンジニアリングとマネジメントは全然違うスキルなので、このキャリアパスって実は転職どころかエンジニアから営業になるのと同じくらいのジョブチェンジだ。いいエンジニアがいいマネージャーになるとは限らない、ってのはその通りだ。

だからマネージャーになるならマネジメントを学ばなきゃいけないし、それくらい新しいことをやるつもりで取り組んでいかなければならない。過去のエンジニア経験の貯金を切り崩してマネージャーやってるんだとしたら、とっとと思い改めないとすぐに借金生活が待っている。

だからエンジニアリングのスキルがなくてもマネージャーはできる

もちろんエンジニアリングの経験やスキルがあるに越したことはないけれどなくてもマネージャーはできる、って話をよく聞く。その通りだなって思う。

でもね・・・

だから知らないままでいいなんて誰も言ってないんだよね。

エンジニアリングのスキルがなくてもエンジニアリングマネージャーになれるかもしれないけれど、エンジニアリングマネージャーがエンジニアリングを知ろうとしなくてもいい、学ばなくてもいいなんて誰も言っていない。

Googleで優れたマネージャーになるための8つの習慣

Work Rulesの中にGoogleで優れたマネージャーになるための8つの習慣が紹介されていた。

  1. 良いコーチであること。
  2. チームに権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないこと。
  3. チームのメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示すこと。
  4. 生産性/成果志向であること。
  5. コミュニケーションを円滑に。話を聞き、情報は共有すること。
  6. チームのメンバーのキャリア開発を支援すること。
  7. チームに対して明確な構想/戦略を持つこと。
  8. チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること。

グーグルのプロジェクト・オキシジェンの8つの属性リスト (via Work Rules)

「8. チームに助言できるだけの重要な技術スキルを持っていること」が、エンジニアリングに関することに思えるかもしれないが、それだけではないように感じる。

マネージャーがエンジニアリングを知っていれば、

  • より良いコーチングができる
  • チームへの適切な権限委譲がしやすいし、介入しなくてはいけない敷居が判断しやすい=そこまでは任せられる
  • エンジニアの成功や満足度に関心どころか共感できる
  • エンジニアの生産性や成果に対して理解ができる
  • 説明を省いてスムーズなコミュニケーションができる
  • エンジニアとしてのキャリア開発を支援することができる
  • チームに対して明確な構想/戦略をより具体化できる

かもしれない。もちろんエンジニアリングを知っているだけですべてうまくいくわけではないが、これだけの機会損失をするのはもったいない。

言い換えるならば、マネージャーとしてのよいアウトプットをするためにはエンジニアリングを学ぶこと/学び続けることが近道なのだ。

まとめ

エンジニアリングマネージャーはエンジニアリングのスキルがなくても務められる。でも「エンジニアリング」を知ろうとする気がないマネージャーは、マネージャーをやめた方がみんなが幸せになれるような気がする。

エンジニアリングを知ろうとする気がないマネージャーに対して、

  • キャリアの相談をしようと思うだろうか
  • 評価されたいと思うだろうか
  • 判断を仰ぎたいと思うだろうか
  • 仕事の共有をしたいと思うだろうか

ということをエンジニアになったつもりで考えてみるとよいのかもしれない。

もちろんマネージャーだって人間なので、エンジニア経験がなくたってかまわないし、高いエンジニアリングスキルを持っていなくてもいいと思う。でも同時にエンジニアだって人間なので、自分が好きなことに興味を持ってくれる人にマネジメントしてほしいと思うのは至極当然である。

会社を辞める理由の一番の理由は上司の問題である。日本の会社だと、残念ながら上司=マネージャーになっていることが多いので、マネージャーになること自体にそれなりの責任が発生する。

ということでエンジニアリングマネージャになっても、エンジニアリングの勉強はし続けようと思った。なんでもはできないけれど、せめてメンバーの好きなこと=エンジニアリングで一緒にキャッキャウフフできるマネージャーではいたい。

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